愛,逢,哀 | ナノ
優しい鰐の話


1日目










ちこらをこめてこのせまいばしょからでようとふんとうする
がんばってたいあたりをするがびくともしないこのかべに
ぼくはまいにちたたかっていた

「ほら,もう少しよ,頑張って」


ぼくがつかれるといつもきこえてくるこのこえはぼくの"おかあさん"
はやくタマゴからでてあんしんさせなきゃ
ぼくはまたかべにたいあたりをした






あれからいくらかたってヒカリがみえた
ヒビがはいったのだ!

「頑張って!もう少しよ!」

ぼくはそのこえにむかってたいあたりをくりかえした
もうすこし!もうすこしだぞ!










そしてそとのせかいがひろがった





「わにぃ」











僕がはじめて君とあったのは
僕が産まれた日だった









「ふふ…はじめまして,貴方の主人(マスター)よ」

いつもきいていたこえにあうような
とてもやさしそうなかおをした人,
だいいちいんしょうは
そんなかんじだった


(このひとが"ますたー")


ますたーはぼくのてをぎゅっとにぎり
「これからよろしくね」とまたわらった


「わにゃぁ」

ぼくもつられてわらい
ひとのあたたかさをしった

















「実はね,貴方の名前はもう決めているの」


「貴方のタマゴをウツギ博士に貰った日と貴方の産まれた日が"雨"だったの」

「雨は神様の涙なのよ…貴方も誰かの為に泣けるやさしい子に育ってほしいわ」



「はじめまして"レイン"
貴方の名前は今日からレインよ」



















「よろしくねレイン,」









「私はミズキっていうの」



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