愛,逢,哀 | ナノ
水の波紋は永遠に続く




目が覚めると自分は知らない姿になっていた。

水色のクリスタルの用な頭。

鬣は私の髪の色と同じ紫色。

体は全体的に水色で所々白い。









これじゃあまるで「ポケモン」みたいじゃない。







私はミズキよ
人間の筈よ?







訳のわからない現状に頭がクラクラする。
これは夢なの?

なら早く覚めなきゃ
今日はミナキ君とデートの約束しているの。


慣れない体を動かし、目を瞑る。


こういう夢は寝たら現実に起きれるに違いない。
前足を枕にし、寝ようとした瞬間。



「…うわぁ、綺麗なポケモン…」











――ああ、やっぱり夢ね



だって声が聞こえた方を振り向けば『私』がいたのだから。


「見た目からして…水タイプかしら?見たことないポケモンねジョウト地方以外のポケモンなのかな?」


『ちょっと、触んないでよ』


「うわぁ…鬣ふかふか…ふふ、私の髪と同じ色だね」


『私はアンタ何だから当たり前じゃない。あ〜あ、早く覚めないかしらヤな夢ね』


此方側の声が聞こえないらしい『私の姿』をした奴はお構い無しに触ってくる


なんなのこの夢。
わからないけどすごくモヤモヤしてむかつく


『はぁ…鬱陶しいわね、私ってこんなにウザかったっけ?』


「ねぇ君名前は?私はね…」



「こんなとこにいたのかミズキ…」


目に写ったのは見間違える筈がない私の愛しい人



『ミナキ君!!』
「"ミナキ"!!」


は…?なにこの子
呼び捨て?
ミナキ君の彼女は『私』よ
だけど彼は『私』を見ていない



『ミナキ君…?』


「見てこの子!!綺麗よね!!」


「!…ああ、見たことないな。とても綺麗な"ポケモン"だ」


違う
違うわ 私はポケモンじゃない
『ミズキ』よ

あなたの恋人



「…おい、ミズキ。ポケモンと戯れるのもいいがお義父さんがお前を呼んでたぞ」

「え!?やだどうしよう!!早く行きましょうミナキ!!」

「うおっ!!引っ張るな!!!」


待って
待ってよ

ミナキ君を何処に連れていくの?

『私』が『ミズキ』なのに

この女は誰?

この女は『ミズキ』じゃないわ


ねぇ待って
待っててば



















なんで私がわからないの?











私がミズキなのに!!!!!










気づいたら勝手に体が動いていて、



『私の姿』をした女の腹を

『私』は貫いた












それが悲劇の始まり





――――――――――――――




平行世界によってそれぞれ性格が異なる

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