私の思い出には、楽しいものなんてなかった。
いつだって、一人で突っ走ってきたから。
幸せを手にするために、必死になっていたから。

だけど、そんな私の目の前に、突然貴方が現れた。
私のこれからの人生に、楽しみを作ってあげると言ってくれたね。

その言葉が、どれだけ私に光を与えてくれただろうか。



離れていかないで。
ずっとずっと、私の傍に居て。

わがままだって分かってる。
最初から、ずっと一緒に居るなんて出来ないんだって、いつか別れが来るんだって、ちゃんと分かってた。
それを承知でいたつもりだった。

だけどね、ごめん。
好きになっちゃったから。

消えそうな貴方を、私は必死に抱きしめることしかできなかった。



いつから?
そう聞かれたら、私は何て答えたら良いんだろう。
思えば、ただ貴方の言う憎たらしい言葉を、どうして受け入れられたのか不思議だね。
なぜか心の底から憎めない貴方の存在。
そんな貴方は、どうして時々優しい言葉を私に掛けてくれるの?
どうしてそんな優しい目で、私を見るの?

やめて。
止まらなくなる。
気持ちが突然、動き出してしまう。



離れていかないで。
ずっとずっと、私の傍に居て。

わがままだって分かってる。
最初から、ずっと一緒に居るなんて出来ないんだって、いつか別れが来るんだって、ちゃんと分かってた。
それを承知でいたつもりだった。

だけどね、ごめん。
好きになっちゃったから。

消えそうな貴方を、私は必死に抱きしめることしかできなかった。



夢だったのかな。
ううん、違う。
貴方と手を繋いだ時、抱きしめ合った時、貴方と触れ合った感触とぬくもりは、確かにここにあった。

交わした言葉、交わした視線。
全部全部、この胸の中に。
私の思い出の中に。



約束を守ってくれてありがとう。
私に楽しい思い出を、ちゃんとくれた。
もう貴方は、私の目の前には居ないけれど、絶対に忘れない。

また会おう。
この大きな世界の、大きな空の下で。



貴方だけを、愛し続けます。





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