新野先生から氷嚢を貰って部屋に帰って来れば、勘右衛門は眉間に皺を寄せながら眠っていた。
出来る事なら代わってやりたいと思うがそんな事が出来る訳もなく、自分はこうやって早く勘右衛門の熱が下がる様に看病してやる事しか出来ない。
持って来た氷嚢を眠る勘右衛門の頭の下に起こさない様にそっと置く。
そしてもう一度、額の上の手拭いを冷やしてからまた額に乗せ直す。

「薬は貰って来たし、今の内におばちゃんにお粥でも作って貰うか…」

ぽつりと独り言を零し、勘右衛門を起こさない様に今度は食堂に向かった。
それから、おばちゃんに事情を話し簡単に白粥を作って貰っている間に、風邪には梅干しの黒焼きだろ、とおばちゃんに許可を貰い台所に入って梅干しをあぶり種子を取った後にそれを練り混んで湯呑みに入れた後に温めて置いた湯を注いでふと、そういえば勘右衛門は甘党だったな、と思い出して蜂蜜を少し入れてからおばちゃんに作って貰った白粥を受け取り勘右衛門が待つ部屋に戻った。

「おかえり…」

「起こしたか?」

ふるふると緩く頭を振って違うという勘右衛門の傍に行き、お粥作って貰ったけど食べれるか?と聞けば、ちょうどお腹減ってたんだぁ〜とへらっと笑い起き上がろとする勘右衛門をそっと支えて上げる。

「ありがと…」

「熱いから気を付けろよ」

うん…と答え勘右衛門は蓮華で粥を掬い取り、フーフーと冷ましながら食べ出した。
食事を食べ終われば、また眠気が誘って来たのかウトウトとしだす勘右衛門に薬を飲ませてから横にさせ、あやすように頭を撫でてやれば勘右衛門は気持ちよそうに目を閉じた。









(兵助、手繋いで?)
(いいよ)
(えへへへ、偶には風邪引くのもいいもんだね)
(馬鹿いってないで早く寝ろ)
(うん、おやすみ‥)
(おやすみ、勘右衛門)



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