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押し倒しちゃった!


面白いくらい固まってやがる。
無意識なら人の顔をじっと見るくせに、意識をすると目を逸らし俯くのが常。こうやって目が合っているってことはまだ理解に至っていない証拠だ。
俺を押し倒して腹の上に乗っかってるなんて、シズカにしちゃあ上出来だが、まあ精々そこ止まりだろう。状況を把握すれば、こいつはすぐに逃げる。
そうはさせるかと、先にシズカの腰を掴んだ。
「ひゃっ」
間抜けな声を上げたシズカの顔は一気に朱に染まる。やっと気付いたようだが、あいにく鎖は巻き付け済みだ。
今更逃がしはしない。
「あ、あの…ごめんなさい。どくから、手を離して?」
「断る」
「重いでしょう? それに、その…話の途中だったじゃない。あ、お茶はどう? コーヒーは?」
「ちょうどいい重さだから気にするな。話ならこのまま聞く。喉より別のところが渇いてるから今はいらねぇ。他になんかあるか?」
腰を掴んだ両手を
「他に、なんて言われても…」
「じゃあ問題ないな、続けても」
「それはだめっ」
「なんでだ? 俺は構わない」
「わ、私が恥ずかしいのわかって言っているんでしょう?」
「まあな」
「ソーマ…貴方、意地が悪くなったわ」
「お前にだけはな」


2013.8.26


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