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くちづけ


衝動的と言ってしまえばそれまでの。
だが、どんな類の衝動であれ、何もなけりゃ何も起きねぇ。
俺は自分の奥の方で息を潜めて待っていたそれを認めてやることにした。
こいつが欲しい。
だから、行動に移した。
嫌がりはしないだろうという打算と、何より沸き上がる衝動に逆らう気が起きなかった。
偶然近付いた顔を、俺の意思で寄せてやる。
戦闘中ならまだしも、日常は油断丸出しでいるシズカの不意を突くのは容易い。
案の定、反応が遅れたシズカは簡単に俺に捕まった。
わずかな動作で離れると、シズカは何考えてやがるのか、俺の顔をぼんやり見ている。
照れる様子も拒絶の色もない。
無言で射抜かれる気まずさに目を背けたのは仕掛けた俺の方が先だった。


2013.7.4


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