私は、彼を愛しています
彼は、私を愛してくれます
でも私は、彼の一番にはなれないのです


星月学園。
天文科、星座科、神話科、西洋魔術科、宇宙科、星読み科の6つの学科がある専門学校。
中でも星読み科は特殊な学科で、生まれついた能力を持っていなければ入れない。
各言う私も、星読み科に通う生徒だ。私は物心着いたときからいろんな未来を見た。それは些細なものから大きな物まで、いろんな未来だ。
その力のせいで私は、友達と言える人間がいなかった。家族は優しくしてくれたけど、きっと多大な迷惑をかけていただろう。

そんな時に見つけたのが星月学園。
きっとここに行けばこの力の使い道も分かるだろうと思った。親はそれには賛成だが、元男子校で男子が多いことと、全寮制のため反対されたが何とか説得をし許可を得たのだ。

入ったは良いものの、全校で女子が私と彼女-------夜久月子先輩の二人しかいないこと。最近の事とはいえ、こんなにも女子がいないとは驚いた。そのため同級生は全員男だ。
しかし、星読み科は一部の人間のみなので、全員がこの力のことを理解してくれ助けあっているし、先生方も気にかけてくれる。1つ上のや夜久月子先輩もいい人で良かった。

そして、何週間かたったころ私は恋に落ちた。能力のせいで恋愛、言うならば人との関係を築くことはなかった。恋愛について色々考えていたけど、嗚呼、恋とはこんな簡単にも落ちるものなのか。

彼、木ノ瀬梓は宇宙科に所属している。毎朝のロードワークを頑張っているなぁと眺めているうちに惚れたのだ。胸が高鳴るような感覚だ。
梓は、肌も白いし目も大きくてパッチリしている。女の私から見ても可愛いと思うほどだ。
最初は、星読みの力の事などもあって眺めるだけだったが、色々あって、私と彼は恋人という関係になった。

もちろんそこにはちゃんとした“愛”があり相思相愛と言えるだろう。
だから、だからこそ私は浮かれていた。


“愛されてる”のイコールが“彼の一番”ではないことに...


この事に気づいたのは、冬に入りだいぶ寒くなってきたころだろう。その日は梓の部活が早く終わるということで、寮まで一緒に帰る約束をしていた。
少し遅いなと思い道場の方に足を進めた。

この時、いかなければ良かったと、すぐに後悔をすることになる。

道場の近くまでいくと、中から話し声がして少しだけ覗いてみた。
中には梓と月子先輩、あと確か金久保先輩という人と怖そうな人がしゃべっていた。それだけならどれほど良かったのだろうか。

私は、気づいてしまったのだ。
月子先輩を見る梓の目に...

あんなにも愛おしい目をする梓は見たことがない。私といるときも楽しそうに笑うが、あんな目で見られたことなんてない。
「好き」といってくれるときだって、だ


私はその場から離れたくなって約束を忘れただ一目散に、部屋に戻った。





本当に、本当に私はバカだ。愚か者だ。愛されてるから彼の一番だと思い込んで、恋人だから愛されてると思って、でも本当は、

あの目を見ればわかる。月とスッポンぐらいの差だ。

嗚呼、あんなにも美しく輝く月にはどうあがいたって勝てないのだ。



titel:レイラの初恋


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