幸せな夢の終わりはいつだって残酷だ | ナノ


忘れ得ぬ少女の幻影  




転校生、どんな子なんだろう

普段も明るいが、今日は転校生が来るため特にその話題で溢れていて、私も、また、その話題を考えていた。
女の子だったら仲良くなりたいけど。でも、私があまり女の子受けをするような性格でないのは自覚している。同じサッカー部のマネージャーをしている秋ちゃんたちがいるし、別にボッチではないし教室で浮くこともなかった。でもたまに、私に対する視線が怖いこともあるのだ。
だからといって、私は対人関係と勉強に関しては苦手といってもいい。正直今まで浮いてこなかったのはきっとあの夢に出てきた変な人のおかげなのだ。

転校生が、もしあの子だったら。
まず、あの子がこの世界にいるのかすらわからない。そもそも転生をしていないかもしれない。
そんな夢みたいな事かも知れないけど、彼女であって欲しいと願ったのだ。

「おーい、みんな席に着け」

担任が入ってきて、みんなが一斉に席に座り出す。

「皆はもう知ってると思うけど、今日は転校生が来る」

「先生ー、女の子? 男の子?」
「かわいい子だったらないいな」
「イケメンがいいよねぇ〜」

みんなが口々にしゃべり出す。

「ほら静かに。それじゃあ、神無さん」

そういわれて、入ってきたのは綺麗な黒髪を持った少女だった。

「はじめまして、神無冥です。変な時期の転入ですが、宜しくお願いします」

黒髪にアメジストのような目を持つ彼女に、あの子の面影は全然なかった。
でも何故か、会ったことのあるような気がしてならなかった。
転校生はあの子なのだろうか。私にはそれがよくわからなくなった。


titel:レイラの初恋


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