今、立海のメンバーは合同練習のため四天宝寺にまで足を運んでいた。

「ここが、四天宝寺か」
「すっげー!本当に寺ん中に学校があるぜ!」
「プリッ」

寺の中に学校があることにビックリする一部のメンバー。
立海はその強さ故に他校からの練習試合などで出向くことはある。四天宝寺も関西の強豪だが大阪にある為、合宿や試合等意外では関わること自体が少ないのだ。

「ハッハッハッハ」
「そ、その声は!?」

バッ、と後ろを振り向くと何故か古代ローマの人の様な格好した『浪速のスピードスター』こと忍足謙也が走ってきた。そして周りを見渡せばいつの間にか四天宝寺の生徒たちが集まっている。

「クッ、俺も、ここまでなのか...」

いきなりガクッのその場に倒れる謙也。すると、千手観音のポーズをした『モーホー軍団』こと一氏ユウジと金色小春が現れた。
立海メンバーは、いきなり過ぎて話についていけない。

「お待ちなさいケンヤよ」
「あ、あなたは!?」
「私は女神です。あなたを助けに来ました」
「な、なんや、と…!?」
「あなたは走って、セリヌンシライシの元までいくのです!!」
「そうや、そうや!走らなあかんのや」
「さあ、いくのです!」

手を広げ門の方を指差す。
門の奥にはいつスタンバイしたのかわからない白石が、張り付けられていた。

「セリヌンシライシ!」
「その声は、ケンヤ!」
「すまん、またせたな」
「いや、来てくれただけで充分や」
「シライシ!」
「ケンヤ!」

なんと素晴らしい友情なのか!
ケンヤは夜明けまでに間に合い、親友のセリヌンシライシを助けることができたのだ!!
拍手喝采!これにて幸せめでたしめでたし!!


「いやいやいやいや勝手に終わらせるな」
「え、なんなの。セリヌンシライシって」
「セリヌンティウスの事だろう」
「あっこれ走れメロスをイメージだったのか」
「というかあんな女神絶対嫌っす」
「同感じゃ」
「何か最後、ナレーターも変わったな」
「まったく、たるんどるぞ!」

「おっ、幸村くんたち来たんやな」

少し引いていた立海の元に白石がやってきた。いつの間にかジャージになっている。
周りの生徒もゾロゾロと門から離れていった。

「やあ白石。それよりさっきのを説明してほしいんだが」
「ん?ああ、あれはテニス部プロデュース『走れ、青少年よ』の一部分や」

エッヘンと自慢げに話す。
ペラペラと劇について語り、立海はもはや聞いていない。

「で、練習は?」
「おお!そうやな。ほな、さっそく案内するわ」

こっちやで、と指を指し歩いていく。
その後に続いて立海メンバーも歩きだす。

そして、四天宝寺との合同練習が幕を開けるのであった。

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