いきなりですが、私は猫を飼っています。

・・・・すみません、間違えました。
正しくは猫っぽい彼氏がいる、です。

年下で少し不良っぽい彼ですが、とても優しいんです。

だから今日は、そんな彼のいいところを知ってもらうために、観察でもしようと思います。


ちなみに、現在はその彼を膝枕してたりします。

寝顔はいつもと違う表情が見れていいですね、とても可愛くてどうにかなりそうです。

「・・・・ん。那智、さん?」

あ、起きたみたいですね。

起きてすぐに私に抱きついてくるんです。
ああ可愛い可愛い。

「那智さん、」

・・・・様子がおかしいです。

いつもならここらへんでキスでもなんでもしてくるんですが、今日は通常よりも強い力で抱きしめてきます。
さすがに痛いです、あばらミシミシいってますから!痛い!

「光、どうしたの?」

「・・・・那智さんがいなくなる夢みたんすわ」

怖かった、と呟く彼は弱々しく、本当に怯えていました。

こんなときに不謹慎ですが、私はとても嬉しいです。
だって私がいなくなったら、こうして震える程悲しんでくれるということでしょう?
つい口元が緩んでしまいます。

「那智さん何笑ってんすか」

彼が睨んできますけど、気にしないことにしました。

本心を言ったら、きっと真っ赤になりながら喜んでくれると思いますし。

「光が、それ程私私を好きだったのが嬉しくて」

口角はあがりっぱなしになりましたが、気持ち悪いでしょうか。

「何、ニヤニヤしとるんですか・・・・」

案の定彼は顔を染めて横を向きましたが、別に怒ってはいないようなので照れ隠しでしょう。

さっきまで甘えてきたのにいきなり突き放すのは彼の十八番ですから。
やっぱり、猫みたいです。

「那智さん、笑ったの許してあげますから家に行ってもええっすか?」

上目遣いも可愛いですね。
正直私よりも女子力が高い気がします。

今は甘えんぼらしいので、私は受け止めましょう。

「もちろんだよ、光」

はにかみながらお礼を言う彼は、小悪魔でツンデレな、猫系彼氏です。

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