■ 013

そして決戦の日である土曜日が訪れた。幸村曰く、兄とその友人も来ているらしい。アイツも僕を呼んでいるからそれがフェアなのだろう。
もうすでに幸村とその兄、そして友人が揃っているらしく、僕が最後といえ訳だ。最年長が一番最後ってどうなんだ。いや、僕が遅いのではないと言い訳をしておく。実際時間には間に合っているからだ。

「失礼しま・・・した」

リビングのドアを開けてすぐ閉める。
え、何あの人達。明らかに中学生じゃない、こんなの絶対可笑しいよ。

「ちょっと阿良々木さん。何やっているんですか」
「幸村か。僕には荷が重すぎるようだ...」
「何バカな事いってるんですか」

止めてくれ。僕を可哀想な物を見るような哀れむ視線は止めてくれ!

「ほらいきますよ」ズルズルと幸村に連れられた。これはこれでかなり恥ずかしい。

*

「初めまして。李華の兄の精市で此方が友人の真田と柳」
「あっ、宜しくお願いします」

ええー、真田くん明らかに中学生じゃないよー。
柳くんでかすぎじゃないですかね。しかも目を閉じてて見えてるんですか。

「きちんと見えています」
「うえっ」

つい変な声を出してしまった。というか声に出していただろうか。

「柳さんは情報が凄いからそういうのも予想できちゃうんですよ。後、阿良々木さんポーカーフェイス下手」

コソッと幸村が教えてくれた。いや、情報量とそれはまた違う気がする。この場合気にしたら負け、なのか?
あと最後の一言多いわ。

「李華、この人は?」

やっぱり僕、場違いですよねー。

「この人は阿良々木さん。私の恩人で一夜を共にした人」
「なにいってんの!?」

誤解を与えるような言い方はしないでくれ!
あれは、まだ幸村とも知り合って無いし、そもそも僕の妹達に呼ばれてのお泊まり会だろう。確かに同じ屋根の元だが、そんな不埒な事を僕はやっていない。
それよりも前の人達が怖いんですけど。お兄さんとか目が笑ってないよね?

「あれがデフォです」
「いや、違うだろ!!」

駄目だ話が通じない。
もう、疲れたよ、パトラッシュ...

「ちょっと、ふざけないでください」

お前がな。
もう誰でもいいから助けてくれよ。っていうかこうなった元凶の影は何処に消えたし。幸村に聞いたら今いないって言われたし。いたとしても何かを媒介しなきゃコミュニケーションを取ることすらできないんですけれども。前回の様なマイクだったら絶対にばれるし。
もう、帰っていいかな。僕には荷が重すぎるんだよ。あんなの確実にラスボスじゃないか。始めたばかりでいきなりラスボスとか無理に決まってるじゃん。あれで僕より年下の中学生とかあり得ないと思う。
誰でもいい。誰でもいいから僕を助けてくれぇ!

「すいません、遅れました」

しかし神様は僕を見捨てはしなかった。何故なら入って来たのは、三編みに眼鏡をかけた優等生のあの子だったから。

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