■ 005

ここでまさかの事態だ。
俺が会ったのは本人でもなく、幽霊とかでもなく、まさかの妹という疑惑が発覚した。

「気になるなら精市本人に聞いてみたらどうだ?」

その言葉で今、幸村部長付近にいます。そりゃあね、ただ聞くだけならまだしも俺さ、今日遅刻してるのよ。
それで幸村部長いなかった時だからね、うん。俺が何言いたいかわかる?

「あの〜、幸村部長」
「どうかしたのかい?」

おっ、よかった。怒っていない。
一つ目のミッションクリアだぜ。これがRPGだったら1Lv.上がっているな。

「ああ、そう言えば今日遅刻したんだって?」

ビクッ!
ばれていた、だと!?
クソッ。俺のHPが削られる。

「いや、まあそれは、その。そう。聞きたいことがあるんっす!」
「俺にかい?」

よし、うまく話を持っていけたぜ。やっぱり俺って天才じゃね。まあ言わなくてもわかってるんだけどな。

「幸村部長って妹います?」
「ああ、いるよ」

やっぱりいないんじゃん・・・・いるの!?
え、いるの!?

「1つ下の妹がいるけど、それがどうかしたかい?」

まじ、マジで!!?
じゃああれは...幸村部長の妹になる?

「妹がどうかした?」
「あ、ええっと、えー、」


*


「そう言うことがねえ」
「は、はい」

なにこの重圧感!かなりヤバイ気がしてくるんだが・・・
ちょっとそこにいるあなた、助けてよ!

「で、赤也は俺が女装してると思ったわけか」
「えっ、えっとですねえ、」
「うん?」
「すいませんでした!!!」

無理無理勝てるわけないじゃん。
いまの「うん?」ってみたら可愛い天然とかと違うモノ。てめぇふざけんじゃねえぞゴラァの分類だよ。
本当に死亡フラグたっちゃったよ

「で、でもドッペルゲンガーかなあとも思ったんっす」
「ハア」

や、ヤバいぞ、
フッ。去らば向こうでも元気でな・・・

「まあ今回は許すけ
「命だけはご勘弁をおおおおお」

やっぱり死にたくないよ!!!

「・・・・・・」

ほんと無言とかマジやめてください。俺が悪かったです、はい。なのでそんな目で俺を見ないでください。
俺のHPが削られていきます。

「赤也?」
「ハイイイイ!!」
「もう許すから落ち着きな」
「ホントすいま・・・・え?」

今なんていった?許す?
俺の耳は腐ってしまったのか...

「失礼な事考えているよね」
「ソンナメッソウモナイ」

あまりの恐怖に片言になってしまう。?とか疑問系ではなく確定しているところがまた恐ろしい。異名ではなく本当に神の子なのではないのか。

「で、妹がどうかしたの。迷惑かけたなら俺から言っとくけど」
「あっ、ただ気になっただけっす」
「そう。じゃあ遅刻の分の100周行っておいで」

・・・・あっ、遅刻の事忘れてた。

後日、先輩たちは皆妹がいる事実を知っている事を知り、騙されたとわかった。あれ、なんで俺こんなにも不憫なんだろう...

[ prev / next ]
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -