数馬がこんな風に俺に触れるのは別段珍しい事ではない。 だけど今日の数馬は何だか雰囲気が変だ。いつもと違う。 どこか焦っているような、そんな感じ。 「…さくちゃん、気持ちいい?」 塞がれていた唇が解放されたかと思うと直後に下肢をゆるゆると撫でられ腰が跳ねる。 「んっ、…ふぁ…」 「さくちゃん、好きだよ」 「かず、ま…っんぁっ、あっ、おれも、…っぅ」 好き、と続けようとした唇は数馬のそれによって遮られ、飲み込まれてしまった。 「…っは…、ふ…」 ふたりを繋ぐ銀色の糸は俺達の意志を無視して呆気なく途切れてしまって。 「ふふ、さくちゃん可愛い」 汗ばんだ額に再び唇を落とされ、擽ったさに身を捩ればまた可愛い、と呟かれる。 「な、んか…今日の数馬、へん…っ」 下肢への刺激を再開させた数馬を見ながら言えばそう?と首を傾げられる。 「ん、なんか…っあった?…は、ぅ…」 「んー…ちょっと、寂しかったから、かなぁ」 「?」 今度は此方が首を傾げる事になった。 寂しかった?何に?何で? 「ふふ、分かんなくてもいいよ。さくちゃんは今のままでいいから」 気にしないで、と微笑む数馬に教えろよ、と言おうとした瞬間に強く扱かれ、甲高い嬌声が口から漏れてしまった。 「僕は今のままのさくちゃんが好きだから」 「ん、ひぅ…っぁ、も、かずまぁっ」 「いいよ、出しちゃえ」 手の中に白濁を吐き出すと当たり前のように手についたせれを舐めとる数馬に驚きを隠せないでいると、中指に舌を這わせた状態のまま妖しく微笑まれ身体が疼くのが解った。 「…っ…数馬、」 「ん?」 「…続き、……しよ?」 互いの熱を帯びた吐息を間近で感じながら、身体を重ねた。 溶けて泡になってそして 迷走のまめ子様より頂きました。 戻る |