シリーズ | ナノ
「お嬢様、髪を」 「ん、頼む」
さっとまこの長い髪を纏め上げる。その手付きは某天才美容師に短期間とはいえ弟子入りしただけあって申し分ない。 梳いた櫛を咥えることで持ち替えた紐で結い、飾りを整える。 鏡越しにこれで良いかと視線を絡め、頷いた主を車までエスコート、見送り終えれば漸く一息吐いて。 そうして屋敷へと戻るため振り返った彼にふと声が掛かった。
「作ー」 「あ?」 「数実のもやってくれないか?」
ごめんね作ちゃん…と苦笑する数実は若干涙目で、その髪はふわふわと綿飴みたく好き勝手に広がっている。
「今日もまた凄ぇな…」 「あはは…」
三人共ロング。 長さは数馬>まこ≧藤内。
11/04/03.
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