シリーズ | ナノ
「とーない」 「何?作」 「あれ、予習に使っていいぞ」
怠そうに動いた手がついと指示した先には、不必要な物が山八つ程。 藤内は微かに目を瞠り、それらを見つめたまま呟いた。
「…作、」 「ん?」 「ありがとう!」 「おう」
きらきらとした瞳で駆けていく彼女を見ながら、作兵衛はくすぐったそうに笑う。 予習し始めて間もなく聞こえ出した破壊音や打撲音、断末魔や悲鳴には至って慣れているのか気にも留めない。 どんどん原型を失っていく光景に寧ろ耐性の無い生徒達が真っ青だ。震える身体を寄せ合って固まっている。
藤内の自主トレは作法らしくえげつない。
11/04/03.
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