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いつも通りのある日のこと。
ふと藤内は前々から思っていた、首人形の件で何やら話し込んでいる二人の些細な共通点を、そういえば…と口を出していた。

「二人共髪の毛赤色だよな」
「あ?あー…」
「でもちょっと違いますよね」
「だな」
「あぁ、確かに違うかも」
「僕はどちらかと言えば茜色に近くて、作兵衛先輩は深緋色に近いんです」

「ね、先輩」と見上げる伝七に「おう」と作業服に付いた木屑をはたき落としながら作兵衛は相槌を打つ。
そんな二人に、藤内は改めて二人の髪を見てみた。

光などで照らすと顕著に分かるが、艶めく色合いは赤系統の範囲内でも濃淡が違うのだ。
どちらも美しいには違いないのだが。

梳いてみたいという欲求に蓋をして藤内はにっこりと笑みを浮かべる。



とある方の素敵な影響で、用具と作法のコンビが好きなんです…!
伝七には平太と思ったけど、出せませんでした。いつかリベンジしたいです。
色は色辞典などで調べればわかると思います。

11/03/05.