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※美化した描写がありますので、そういったものがあまり好きでない方はご注意ください。





「「―――委員長!!」」

突如障子が開け放たれる。
部屋の主が慣れた様子で茶を啜る最中、高貴の紫を纏った人物が二人、ボロボロの状態で転がり込んできた。

「嗚呼…私とあろう者が…全く見つけられずに…っ」

吐息を漏らすように零される失望の声。
折角の美しい黒髪を振り乱し、同色の瞳を僅かに潤ませた凛々しい面立ちの禁欲的な麗人が疲労の色濃く佇んでいた。

「こちらもまだ…委員長、もう、どうすれば…!」

その隣からは甘さの残る高めの声。
未だ幼さの抜け切れない、けれど美妙な小顔を囲むのは極上の蜜をたっぷり凝縮したかのような金糸と紅の瞳という、此方は華やかな容貌だ。

時間がない。
何処を捜しても見つからない事実に焦燥が増すばかりで――もう、恥も何もあったもんじゃない。
それくらい二人は限界だった。

見るからに気位の高そうな二人が縋る先には、部屋の主である一人の少年がいた。
纏う衣は新芽の萌黄。
委員長と呼ばれた彼は瞑っていた瞼を薄らと開き、眉間に深く皺を寄せて深く溜息を吐く。
茶を置き、髪と同じ緋色の奥から覗いた力強い双眸は赤銅の猫目。

「あんの馬鹿共…」

変声期前独特の高さを伴い、しかしその声地獄の底より這い響くが如くに深く低く猛々しく。
年下ながらも頼もしいそれに、美々しさを自重しない二人の対照的な瞳が希望に煌めいた。

「滝夜叉丸先輩は裏山の南方麓を、三木ヱ門先輩は六年長屋の裏手を捜してみて下せぇ」
「よし、南方の麓だな!」
「六年長屋の裏手…分かった、ありがとう!!」

即座に身を翻し駆けていく二人――平滝夜叉丸と田村三木ヱ門を見送り、残された少年――富松作兵衛は己もと縄を携え立ち上がる。



彷徨える親しい者達を捜し、今日もまた野を山を園をと駆け回る。
人が呼ぶ、彼らの名は――――捜索委員会。



あったらいいな。寧ろ出ないかな。というか広めようよ犬猿Jr.みたいに!
因みにあと二人程、竹谷八左ヱ門と伊賀崎孫兵が入ってます。

11/02/09.