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個性把握テスト



それから始まった個性把握テスト。個性を使う事にまだ不安を抱いていた私は、個性使用を躊躇ってしまう。途中相澤先生から、何故個性を使わないと無言の圧力を受けるが、成績は普通よりも上だったため、それ以上睨んでくることはなかった。



個性把握テストが終了した。個性把握テストのおかげで、クラス全員の個性を知ることができた。出久くんの個性は凄いパワーだったが、あの傷跡を見ればとても痛々しく思える。ちなみに幼なじみくんと言えば、爆破が個性のようで、性格から産み出されたような個性だなぁと深く感心した。

個性把握テストが終わり教室へ戻れば、今日はこれで解散と相澤先生が告げた。
疲れたなぁ。リュックを背負い席を立ち去ろうとすれば、前に座っていた幼なじみくんが激しく睨んできた。もの凄い目付きだ。蛇に睨まれた蛙状態の私はその場から一歩も動けずにいた。


「ど、どうしたの…幼なじみくん…」
「ぁあ?誰が幼なじみだ、ぶっ殺すぞ」
「いや、私のじゃなくて…まぁいいや」
「何俺を差し置いて一人で解決してんだ!?クソ女!」
「こ、今度はクソ女できたか…」
「…」
「…」


何故無言が続いているんだと冷や汗が滲み出る。彼からの言葉を待てば、重い口をやっと開いてくれた。


「…お前なんでさっき使わなかったんだ、個性」
「個性?あぁ、特に意味はないけど…そう言えば幼なじみくんの個性は凄かったね!爆破?うん、その性格にドンピシャだね!」
「…ぁあ?」


聞かれたくない内容に、焦りながら話題を変えてみれば、喧嘩売ってんのかお前はと言わんばかりに再び激しく睨まれる。


「おいこら!爆豪!やめねぇか!女子相手に!」
「ぁあ!?クソ髪はだまってろ!カス!」
「ク、クソ髪!?」


慌てて止めにきてくれた赤髪の男の子のお陰で、一発即発は避けられた。気分を悪くした幼なじみくんは私の机を蹴りあげて、そそくさと教室を出ていった。机を蹴りあげるって不良少年がする事だけど…何はともあれ、災難は去ってくれたから良かった。


「ありがとう!赤髪くんっ!私死ぬかと思ったよ!」


彼の手を取りお礼を告げると、少し戸惑った様子で頬を赤く染めていた。


「あ、いやぁ…俺は大した事はしてねぇよ!」
「ずりーぞ!切島!抜け駆けすんなよなー!」
「抜け駆けなんてしてねぇだろ!!」
「そうだそうだ!俺だって喋りてぇーよー!」


頬を赤く染めながらクラスメイトの声に反論する赤髪くん。そんな彼を見て可愛いらしいと胸を少し熱くする。なんて健気な好青年なんだ、ヒーロー向きの少年である。

その後簡単に自己紹介をした。赤髪くんの名前は切島鋭児郎くん。皆に便乗して切島くんと呼ぶことにした。
私と切島くんが自己紹介をしていたら、それにつられて俺も俺もとクラスの皆とも自己紹介をし、一通りの人達と仲良くなる事ができた。

その後お茶子ちゃんに聞いたのだが、私の前の席に座る幼なじみくんは、爆豪勝己と言う名前らしい。これまた個性にぴったりの名前だなぁと、深く感心した。