榛→阿妄想文
2012/06/29 08:09

なんだよ…。

何なんだよ。


目の前の光景に、首の後ろからぞわっと血の気が上るような苛立ちを覚える。


見知った顔は中学のシニア時代に組んでたタカヤ。

いつも張り詰めた顔して、強がって、でも縋りつくように怯えた目で俺を見ていたあのタカヤが、今、俺の目の前で幸せそうな顔して笑っている。

お前、なんでそんなに幸せそうに笑ってんだよ…。

タカヤが微笑んでいる相手を見れば、タカヤと同じユニフォームを着た、線のほそっい、何だかフニャフニャした奴。


そういえば、あいつ…西浦の投手って言ってたっけ。

抽選会の時の薄い記憶を手繰り、その事に気づく。



俺は、心のどっかで、タカヤのエースは今でも俺で、タカヤは俺の球を受けたがってるんだって思い込んでたんだ。


だから、高校入って、体出来て、ますます速くなった球をアイツに見せたかった。


そしたらまたアイツは俺と組みたがるって、そう思ってた。


なのに…


なんで、オマエ、そんな満たされた顔して笑ってるわけ?


苛立ちと共に、ギリっと心が捻れる。

てめーだけ勝手に一人で救われてんじゃねぇよ。


オマエにとって俺はそんぐらいの薄っぺらい存在なのかよ。

もっと俺に固執しろよ。

俺だけを見てろよ。




…決めた。


タカヤ、俺は日本一の投手になって、ぜってーに俺の球を受けたいって思わせてやる。


俺のことだけ考えて、他の奴なんか見えないようにさせてやるよ。




――――――――
この後、逆上した榛名が阿部をトイレで襲っちゃえばいいのにと切実に思います。

アベミハも榛アベも榛ミハも大好物です(^q^)

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