以下、前に書いた阿部榛の続きで阿部→三橋
2012/04/23 07:58
投手なんて、どいつもこいつも自分勝手な奴ばかりで嫌いだ。
俺はもう投手に深入りしない。
そう思い、無名の高校に入学し、出会ったのは、気が弱そうな奴だった。
こいつなら、俺の言う通りに動く操り人形になりそうだ。
三年間、お前は俺に従って投げてればいいんだよ。
俺はそう腹の中でほくそ笑んでいたのに―
なんで、アイツは、
ありがとう、阿部くんって、
阿部くんはすごいねって、
キラキラと嬉しそうに俺に礼なんか言うんだ。
自分に自信がなくて、投げるのが、怖くて怖くて仕方がないくせに、
どんなに必死に努力しても、誰にも分かってもらえねぇくせに、なんで、オマエは―
いつの間にか、気付けば俺は、三橋の為に何かしてやりたいって思っていた。
三橋の努力を、俺に対する信頼を、全て報わせてやりてぇ。
アイツ(榛名)と組んでいた時は思いもしなかった自分の気持ちに、俺自身ハッとする。
ああ、そうか…
俺と三橋はバッテリーなんだ。
三橋は、アイツに捨てられて荒んだ俺の野球への思いを救ってくれた。
俺は三橋に三年間尽くす。
――――――
阿部くんは三橋くんに会って絶対に救われたと思います
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