夏の魔物
2012/07/27 07:50
またまたちょっとお久しぶりです。
リクエスト絵描いてから気が抜けて〜。
それに最近暑さが半端ないので、平日は落書きする気力もなく、すぐにネオチしてしまいます。
とか言いながらその暑さで志摩出SS描いてみたり。
夏なのでちょっぴりアバンチュール?です
「ふひぃ…っ」
頭の中、ぬるま湯に突っ込んだような気怠い暑さに、思わず声が漏れる。
梅雨が明け、さて夏本番と照りつけ出した太陽の下、教室へと辿り着いただけで、この有り様だ。
「なんて間の抜けた声出してんのよ。情けない」
凜とした風が吹いたような涼しげな声音に振り返れば、教室に着いたばかりの出雲ちゃんが立って、こっちを見ていた。
声と同様、凜とした顔付きはひどく涼し気で、暑さの苦手な俺はつい羨ましくなってしまう。
「出雲ちゃんはええなぁ、いつも涼し気で」
「何言ってんのよ。私だって暑いわよ。ただ、アンタみたいにダラけてないだけ」
「ほんまに?」
「当たり前でしょ!」
ツンとすました横顔に、不意に何気ない衝動が湧き上がる。
出雲ちゃんの腕を取り、白い袖口から無遠慮に手を差し入れた。
日の当たらないそこは、汗ばんでいても、ひやり、と心地よい。
「ちょっ…!なっ…なに…っ!//」
顔を真っ赤にして焦る出雲ちゃんの顔に、自分の顔をゆっくりと近付ける。
「……っ?!//」
大きく見開いたままの瞳を間近に見ながら、俺はその頬をぺろりと舐めた。
「ほんとや、ちゃんとしょっぱいわ。出雲ちゃんも汗かいてるんやな」
にこにこと笑って言うと、間なしに出雲ちゃんの鉄拳が飛んで、顎に衝撃を受けた。
「ちょぉ〜、なんでぇ?」
「何でじゃないわよ!馬鹿っ!この変態!!」
「ええっ〜?!」
「これから先、私の2メートル以内に近付いたら承知しないからね!!」
壁際まで飛びす去り、真っ赤な顔のまま、まるで猫が毛を逆立てるように威嚇する。
ほんま、かいらしーなぁ…。
警告を受けたとこで、さて、どないしようかな?
←*→