((現パロ))
ナミもサンジくんも、ルフィとわたしをバカだという。悩みなんかを相談した後はよく、バカはバカなりに思うところや考えるところがあるのね、など言われる。
わたしは、わたしをバカだとは思うけれど、ルフィをバカだとは思わない。でも本当はルフィのような人を人は、バカと呼ぶのかもしれない。ならばわたしは、バカではない。
「おうい、なまえー!」
「はーい」
昼休み、いつものようにひとりでお弁当を広げて待っていると、ルフィが大きな声で、廊下の端からわたしを呼んだ。大きな声でそれに応えた。同じ学年のみんなは、始めの頃こそニヤニヤと嫌な視線を向けてきたけれどこのごろはもうそんなことはせず、ルフィとわたしを優しく無視していてくれる。
「焼きそばパンが半額だったんだ!」
「半額とかあるの」
「えー、なまえそんなことも知らねぇのか?世間知らずだなー」
「世間っていっても、この高校でだけ通用する話じゃない」
「そんなことねぇぞ。お前、母ちゃんとかになったら、半額とかを気にして買い物しないとだめだぞ」
「え」
「おばちゃんだって、いつもいってるじゃねぇか。ルフィくん、今日エビフライ半額だったのって」
「それはスーパーの話でしょ」
「そうだぞ」
「でも、焼きそばパンは、購買で半額だったんでしょ」
「え、そうなのか」
「え、わからない」
「そーか」
ルフィが大きい口をあけて焼きそばパンを頬張った。口のまわりに茶色いソースみたいなものがこびりついた。
「ねえねえ」
「なんだ」
「その焼きそばパン、どこで買ったの」
「俺んちの近くのスーパー○○」
「あはは、やっぱり」
わたしがこうして笑うと、ルフィはわけも分からずいつもより嬉しそうにしししと笑う。
それを見てわたしもいつも以上にまゆを下げて笑っていると思う。
それをみてナミとサンジくんはバカだというのだけれど、
わたしたちは、わたしたちをバカだとは、思っていないよ。
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その話に解釈はいらない
12/0213
この話はルフィとヒロインを別れさせる予定だったんですが、どうしても別れてくれるカップルになりませんでした^^^