「座んなさい。」



「……。」



「そうふくれなさんな。」



「……。」



絶対座ってやんない。大将のいうことなんかきかないから。あたし怒ってるんだからホントに怒ってるんだから。



、あ、ため息つかれた。もうやだこんなとこいたくない。


「なまえちゃん。座んなさいって言ったんだけど?」



「……。」



「なんでそんな意固地になっちゃうのよ。」



「……。」










「、あららららららら。」



いつの間にかこっちに来ていた大将と目があった。


いつもより ら が多いのは、あたしが泣いていてその上鼻水を垂らしているからだ多分、とても見られたもんじゃないって自分でもわかる、酷い顔。


本当は、怒ってなんか、ない。むしろ怒られるのはあたしのほうっていうのも、分かってる。





「ほら、とりあえず鼻かみなさい。」

「(ビィィィィン)」



「……、はいコレで涙ふいて。」

「(ビィィィィィン)」

「(お約束だね、まったく)」




制服の袖で涙を拭いていると、肩を押されていつの間にかソファーに座ってた。



大将が次にいう言葉なんて分かってる。ちょっと面倒くさそうに、凄く困った音色で









「なんで泣くのよ。」


ほら。いつもと同じようにきこえるけどちょっと違う、それをきくとますます出てくる鼻水(と涙)




「あーあー、袖こんなにしちゃって。」


折角ハンカチ貸してあげたのに、なんてぼやいてる。あれで鼻をかんだのはせめてもの抵抗。








「大将の……ハッハッハンカチは……、鼻水っくらいがっ……丁度…いいんっです……」

「あららら、言ってくれるね。」

「ぅぐぐぅぐ……」

「はいはい泣かないの泣かないの。」



「……(ビィィィィィン)」



「……まったく、泣きたいのはこっちだよなまえちゃん。」



「!……。」












「なーんで青チャリ壊しちゃったのさ。」











……壊してなんかない、壊そうと思って青チャリに手を掛けたわけでは決してない。





壊れちゃったけど。











「別に修理に出したから、すぐ直るんだけどね、いいんだけどね。」



「……。」



「……、なんで壊しちゃったの。」
























「……、にっにっにっにっ…!!」

「(に?)はいはい、落ち着いて落ち着いて。」





「にっにっ……荷台っをっ、付けようとおっ思ったんでっす」



「……荷台?」



「……あっ…あい。」












「……そう。」



「……。」

「それで、壊れちゃったの。」






「……あい。」



「……そう。」



「……。」

「悪かったね、なまえちゃん、勘違いしちゃってたよ。」



「!ちっちっちっちがっ」



「(また泣いた)あれでしょ、なまえちゃんも乗りたかったんでしょ?青チャリ。」




「………あい。」













きっと今のあたしは真っ赤だ。


ホントはもっとスマートに「大将!荷台つけちゃったので、2けつしてください!」ってちゃっかり元気よくいおうと思ってたのに。


失敗だ、かっこわるいなまったく。












「……そう、じゃあ修理屋につけといてって言っとくからね。」



「……あい。」


「とんぼは要らないね、無くてもちゃんと乗れるね。」


「……あい。」










「大将…ごっごめんなさい…。」


「いーよ、気にしてないから。」







*****


じんせいは、しちてん八起!

((転んだら消毒ぐらいしたげるからね))



08/08XX


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