((暴力表現しかない、注意!))






ゴーン、
と、鈍い感触が頭を駆けめぐり、気づいたときには床と頭がくっついてピクリとも動けなくなっていた。右側頭部がゴンゴンと鳴っている。視覚野が刺激されたのか、目の前が妙に霞んでいた。
彼の目がつり上がるとき、必ず聞こえる息づかいが、まだ遠い。鼻の下が暖かい、きっと鼻血が出ている。

エンジニアブーツが床を叩く。この状況の中、私はいつもそれを、カウントダウンだと、思っている。何がカウントされているのか、分かっていたはずなのに、度重なる脳への暴力のおかげて、とうに忘れてしまっている。
カウントが、やむ。これは、ゼロなのだ。

「なまえ」

彼が憎々しげに私の名前を呼ぶ。彼の度重なる暴力は、私の名前までもを失わせてはいないらしい。

「っ」

首を踏まれ、気管がふさがれると、息が、できない。薄れていく意識の中私は彼が最後に見せた笑顔を思い出していた。それはまるで砂漠の太陽のごとく私のすべてを焼き尽くすのであった。



******

侵略

10/0527

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -