「ルルル〜」

俺は、なまえに赤子のように抱かれている。

「ルルル〜」

なまえは、詞のない歌をうたう。

「ルルル〜」

子守歌には似つかわしくない。

「ルルル〜」

それからは、なまえの匂いがする。




「ルルル…」

戦場で、なまえを口ずさむ。
行きたい、生きたい、体がめいっぱい叫んでいる。



「ルルル…」「ルルル〜」


そう、
俺の口からでる歌と、なまえの口から出る歌は、とっても素晴らしく重なるはずだ。
なまえが俺だけにうたう歌を、俺がうたっているんだから。
その歌が流れているところだけでも、静かであればいいと思った。


「エース!」





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カナリアの夢

10/0306

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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