どこかのあいまのおはなし
ああ、どうしてこんなことに!
痛い、
痛い、
何故、
どうして、
ぐるぐると頭の中に疑問符が溢れる。
違う、
違う、
俺はこんなこと望んじゃいなかった!
全く望んでいなかったかと言えば、そうではないけれど、望んでいたのは決してこんな無理矢理ではなく、もっとあたたかい…、
耳に届くのは衣擦れの音、厭らしい水音に女のような嬌声。
うつ伏せて、腰を突き上げるような体勢、腕は疾うに体を支えることを放棄していた。
「も、いや…だ…っ、ちょ、うじ…ひぁんっ」
痛い、痛い、慣らされることなく蹂躙されたそこは、きっと恐らく裂けているだろう。
それなのに、体はだんだんと快楽を拾い始めて、ああ、なんて惨め、なんて滑稽。
長次、長次、なぁ、どうして、俺はお前に好いていると伝えたかっただけなのに、
悪夢のような時間、永遠に続いているようにも感じるそれは、真白に弾けた視界と共に強制終了。
そういえば、一度も名前を呼ばれなかった、な。
ゆらり遠退く世界で、何故だか長次が泣いている気がした。
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