「……痛い。」





カミコがぼそり、と呟けば、ハっと我に返ったシカマルはカミコを離す。
そしてシカクが近寄り、今度はシカクがその身体を抱きしめた。

カミコは、ただただ下を向いたままに。





「…危なかったよ本当に。俺達が来なかったら、お前行くつもりだっただろ?」


「……。」


「…カミコ。」






シカクはその身体を離し、グっとの腕を掴む。
カミコは気づく、シカクの手が少し震えていたことに。







「お前がいくら木ノ葉を出ていこうと、俺達はお前を取り戻しに行くし、お前を手放すつもりはねぇ。残念だが、木ノ葉を出ていくなんてことは諦めろ。」



「……でも。」


「でももくそもかかしもねぇんだよ。親父たちだけじゃねぇ。…イノやチョウジやサスケや…俺だって、お前を仲間だと思ってんだからよ。」


「もう…何もかも背負わなくていいんだよ、カミコ。」






皆の言葉に、カミコの頬に初めて伝う一筋の涙。

それは、初めてカミコが皆の前で気を緩ませた、という証であり。
シカクはもう一度カミコを抱きしめる。
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05:音のない叫び
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