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「……痛い。」
カミコがぼそり、と呟けば、ハっと我に返ったシカマルはカミコを離す。
そしてシカクが近寄り、今度はシカクがその身体を抱きしめた。
カミコは、ただただ下を向いたままに。
「…危なかったよ本当に。俺達が来なかったら、お前行くつもりだっただろ?」
「……。」
「…カミコ。」
シカクはその身体を離し、グっとの腕を掴む。
カミコは気づく、シカクの手が少し震えていたことに。
「お前がいくら木ノ葉を出ていこうと、俺達はお前を取り戻しに行くし、お前を手放すつもりはねぇ。残念だが、木ノ葉を出ていくなんてことは諦めろ。」
「……でも。」
「でももくそもかかしもねぇんだよ。親父たちだけじゃねぇ。…イノやチョウジやサスケや…俺だって、お前を仲間だと思ってんだからよ。」
「もう…何もかも背負わなくていいんだよ、カミコ。」
皆の言葉に、カミコの頬に初めて伝う一筋の涙。
それは、初めてカミコが皆の前で気を緩ませた、という証であり。
シカクはもう一度カミコを抱きしめる。