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―05:音のない叫び―
ちゅんちゅん、と小鳥の囀り。
朝を知らせる鳴き声が、カーテンを開けている窓から聞こえてきた。
カミコは一睡もすることが出来なかった。
それは隣の部屋に居たシカマルもだ、ということを勿論カミコはわかっていた。
「(…私が出ていかないか気にしてる。)」
昨日カカシに言われたことを思い出すカミコ。
こうなってしまっては当分というよりはこの奈良家にいる間は木ノ葉を抜けるのはほぼ不可能になってしまった。
はぁ、と溜息を深く吐いた。
カミコはカミコでまだ頭の中の整理はできていなかった。
クロツキがもし、夢幻眼が目的なら私だけを攫うなりすればいいだけ。
何故虹もろとも消さなければいけなかったのか。
何度考えてもそこが引っかかって仕方がなかった。
だが、カカシに単独調査は駄目だと最初に釘を打たれてしまっている。
「(私にできることは…なにもない。)」