「だって、彼女の行く場所ないでしょうし。うちで引き取っても問題ないでしょう?この子の腕は確かですよ。
この子の事情は勿論しってます、そのうえで提案してます。」
「ふむ。お主、面を外してよいぞ。名を何と申す?」
「…神楽一族の…カミコ、 です。」
「そうか。カミコ、今日からお前さんにはここで生活をしてもらおう。
居住はこちらで用意をする。生活に必要な費用も後で手渡そう。
…己の里がこんなことになってしまい整理がつかないだろうが、何か異論はあるか?」
カミコはただうなだれたままだった。
私が木ノ葉へ住む?
私は争いの元凶だという事を分かっているのだろうか。
―――あぁ、それともこの里も私のこの夢幻眼が目的で生かそうとしているのだろうか。
そもそも、里の皆を見殺したも等しい私が一人のうのうと生きていてよかったのだろうか。
「……(そんな目、しないでちょうだい…、まだ12歳だろう。)」
カミコの目に生気は感じられなかったと思う。
里がなくなっていたのを見て、カミコは生きる気力をなくしていたから。
その夜、カカシ・シカクの両名は火影室へと呼ばれていた。
その理由は勿論カミコに関してだ。
「すまぬな。遅くに呼び出してしまって。」
「いえ、カミコの事ですよね。」
「カミコが居ては話せない内容、ですか。」
「その通りじゃ。…カカシは見ただろうが、里が本当にまるまる消し飛び、皆の死体だけが転がっていたそうなんじゃ。先程捜索隊を出して埋葬をさせたんじゃがな……。」
「どうかしたんですか…?」
「あやつには双子の兄がいるそうなんじゃ。兄の方はカミコと違って夢幻眼はなかったらしいんだが。」
「…その兄が、どうかしたんですか?」
「…そやつの死体だけ、見つからなかったんじゃ。」
「「!?」」
「今暗部に色々調べさせておるんじゃが、カミコにはまだ伏せておいてくれ。」