1時間後、綱手が中から入ってくればシカクを病室へと入れる。
「カミコっ……!」
「………シカク、さん。」
「たった今、目を覚ましたところだ。もう大丈夫だ、心配ない。」
シカクはカミコに近寄り、その身体の生命を確かめるように抱きしめた。
突然の出来事にカミコは目を大きく見開く。
「……悪かった。守ってやるどころか、お前にこんな深手を負わせちまった。」
「やめてください。私達は忍です。怪我や死を恐れていては任務になりません。……それに、兄を見て油断した私が悪いんです、申し訳ありません……。」
そう頭を下げている時、ガラっと扉が開けば、知らせを受けたカカシとシカマルが病室へとやってくる。
「二人とも…………。」
「っよかった、本当に無事でよかった……。」
はぁぁぁ、と脱力をするカカシに、ただ声にも出せずに涙腺を緩ますシカマル。
カミコはシカクに行った言葉と同じことを繰り返して言う。
自分の所為だ、と。
「暁の事は俺達に任せて、今はしっかり身体を休めろ。」
「私の身体なら心配ありません。」
そういえばベッドから起き上がり、地に足を付ける。
それをシカマルは止めよとするが、は首を横に振る。
「クロツキが言ってましたよね?この程度じゃ死ぬこともできまい。と。
今さっきは輸血と夢幻眼が生成するチャクラとの相性の問題で一時心肺停止してたらしいですが、あれぐらいじゃ死にはしないし、治りも人の数倍早いんです。夢幻眼のお陰で。
それに、兄が元凶であると分かっただけでも収穫はありました。」
そう、刺された箇所を指さしながら淡々と説明をしていく。
死なないとはいえ、痛みは必ず伴う筈で。
そんな痛みもまるで関係ない、そうカミコは言わんばかりの態度を取る。
そしてシカクは、カミコに一つの提案をした。
「カミコ。お前また暫く俺の家に住め。」
「……え?」
「は!?」
シカクの言葉に、思わずシカマルも声が裏返ってしまう。