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「…なぁ、兄って…。あいつ、双子だったのか…?」
シカマルの問いに、ゆっくりとシカクが口を開いた。
「お前には…話しておくか。あいつには双子の兄がいた。昨日の神楽クロツキだ。
お前も噂で聞いていたかもしれないが、カミコの夢幻眼は少し特殊なものなんだ。
それを狙ってカミコがいた里は絶えず争いが起きていた。」
「カミコは虹隠れでも優秀且つ夢影候補でもある暗部出身なんだ。
そしてカミコが暗部でいない間を狙って何者かが壊滅させた。…その張本人がカミコの兄であり、暁のリーダーとされている神楽クロツキだ。」
共に英才教育を受けたが下忍になったばかりで、夢幻眼を開眼しなかった。
里を滅ぼした目的はカミコの夢幻眼十中八九間違いはない。
中から看護師が出てくれば面会を許されるも、カミコの意識は戻っていなかった。
沢山の線につながれ、輸血が繰り返し行われていた。
「カミコ…………。」
「これ、彼女の着物です。捨てようか迷ったのですが、虹の紋章もありますし、一応お渡ししておきますね。」
シカクが服を受け取る。
血液がべったりついてしまった着物。
脇腹に刺さったであろう破れた跡も見つければ、ギリっと下唇を噛みしめた。