その言葉に、カミコは絶句した。
私の大好きだった兄が、私の大好きだった里を襲った?
何故そんなことをしなきゃいけなかったのだろうか、と。
「目的は、夢幻眼だな?」
「ご名答。残念ながら俺にはなくてカミコにだけ開眼したんだ。同じ双子だっていうのに不公平だろう?
まぁここで会ったのも何かの縁だ。鬼鮫は手を出すなよ。」
「つまんねぇっす…。」
そしてクロツキは此方の方を鋭いまなざしで見つめた。
「!!? クロツキから視線を外してください!!!!」
「「「ッ …――――――――――、」」」
「ちぃッ …!」
カミコ以外の三人は、クロツキの幻術にハマってしまう。
カミコは絶体絶命の窮地へと追いやられていた。
目の前には敵となった兄がいて、幻術にかかり自分を襲ってくる仲間の三人。
幻術にかかった三人は容赦なくカミコへ向けて術を連発してくる。
「くッ…(どうすればっ。もたもたしてたら私まで危ない…ッ)」
幻術を解除するには術者にチャクラを流し込めばいい。
上忍二人ならばかかった幻術を自ら解除も出来るだろうが、クロツキの幻術は桁外れのもの。
禁術に近いその幻術を解除できるのは、恐らく此処にいる同じ血を分けた兄妹のカミコだけだろう。
―――が、皆がそれをさせてくれない。
二人もただ見ているだけだがいつ襲ってくるかもわからない。