それからさらに1時間。
シカマルはただただ吹っ飛ばされ、ボロボロになったところで二人の手合わせが終わる。
シカクがだらしねぇなとシカマルに声をかけていれば、カミコは埃を払い、シカマルの元へ。
「……あなた、勝手に苦手意識持ってるだけ。この前の影縛りはシカクさん譲りのいいものを持ってた。……でも、それだけでは生きていけない。」
「(…え!?今俺に話しかけてるのか!?)」
「(ほう…?)」
「何か、違う遁術を覚えた方がいい。例えば……土遁とかがいいと思う。」
カミコの言葉を聞いたシカクが思わず苦笑してしまう。
俺がシカマルにしようとしていた的確なアドバイスをカミコがシカマルにしていたのだ。
しかも性質まで見抜いていた。
「うし、交代だ。シカマルは休んでろ。カミコはいけるな?」
「はい。…あの、土遁を使っても構いませんか?」
「(ははっなるほど)おう、構わねぇよ。」
シカマルはぜぇぜぇと息をする中、ベンチへと移動をすれば、二人の組手を見る。
カミコが土遁といっていたな、と食い入るようにカミコを見ながら。
「土遁・土流壁!!」
「土遁・黄泉沼!!」
「ぅおッ!?(ちょ、おいおい!!)」
思った以上の高難易度の術を使うもので、シカクも苦笑をしながら術を避けて。
「土遁・超軽重岩の術!!!」
カミコが近くにあるどでかい岩を軽々持ち上げてシカクへとぶん投げる。
「ちょっおいこらこら!!!(それは反則だろカミコ!!!)影縛りの術!!」