「シカクさん、おはようございます。」
「おうカミコ。今日はまた随分早いな。」
「…え、なんでお前が此処にいんだよ。」
何故か家の間の前にカミコがいて、目を丸くし瞬きをするシカマル。
そんなシカマルに、視線だけを向ける。
初めて顔を合わせてから5日は立つというのに、いまだに会話すらできていないのだ。
親父に見守れとか言われたけど、これだよこれっと呆れるシカマル。
こいつがこんな態度だから無理だろ絶対に……。
っつかなんだ、もしかして任務の度に親父を迎えにいってたのか?
俺達なんてアスマ先生がくるまでだらーっと待ってるだけだってのによ……。
そんな背を見送りながら俺はゆっくりと待ち合わせ場所へ向かった。
シカマルと別れた二人は任務を受け取る。
今日の任務もDランク。
脱走した犬を探す任務だ。
「(さて、と……。一体どうしたものかねぇ)」
シカクは悩んでいた。
全てが比較的簡単なDランク任務ではあるが、その中でもカミコの能力の高さが垣間見れた。
任務中の態度は至って真面目であるし、瞬時の判断は的確だ。
下忍なんかのレベルをとうに超えてしまっている。
流石虹の最高機関の位だった暗部出身なだけある。
シカクが出した指示に忠実に従いつつも、状況に応じてその形を変えられる柔軟さももっている。
だが一つ欠点が存在した。コミュニケーションが全く取れないのだ。
指示には従うし、カミコを軸にすればカミコからきちんと指示も出してくるが、これはそういった事ではないのだ。
下忍の実力をとうに超え、上忍の任務であるAやSの任務をしても大丈夫だと太鼓判を押せる程の実力を持ち合わせてはいるが。