「………なぁ、シカマルよ。」


「あ?なんだよ。」


「…あの子は、お前達と同じ12だが、背負わなくていいものを全部一人で背負っちまってる。そして自分の存在自体を否定するような目をしてる。誰も受け入れようとしない心が存在して、複雑に糸が絡み合っちまってる。
その糸を解くにゃちょいと時間がかかっちまうんだ。」


「…?」


「だから………あいつと仲良くしてやって欲しいんだ。」


「はぁ!?なんで俺が………。」


「たとえどんなに拒否されても、否定されても、だ。」





頼むよ、なんて苦笑しながら言われてしまえば、頭のいいシカマルは何かを察する。
きっと話せないような深い事情があって、でもそれを話すには時期が早いんだ、と。




「詳しい事情は話せないんだが、虹隠れの話はもうお前の耳に入ってるな?」


「あぁ…一日にして里が消し飛んじまった。っていうやつだろ?もっぱら噂ンなってる。」


「…あの子はあの里での生き残りだ。」


「!?」





シカマルはガタガタっと席を立つ。






「すぐにあいつが虹の生き残りだという噂は出回るだろう。ある事無い事含めてな。
だが、その噂だけを真に受けることだけはするな。
噂というのは本人の心に深く見えない傷が残る。

だから…見守ってやってくれ。俺が担当上忍だから、きっとお前とも近い存在になれると踏んでるんだ。」






シカクに言われた意味を全部は理解できないシカマル。

そもそもさっき初対面したばかりであり、そして目を合わそうともしなかった。
まぁよくはわかんねぇけど、まずはあっちがこっちと関わりを持とうとしないのに、どうすばいいのやら。


シカマルはそんなことを考えながら、また再び椅子に腰を掛けたのだった。








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序章
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