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ご飯を食べ終わり、シカクの部屋から将棋盤を運び縁側へ。
先に正座をして本を読みながらシカクが真正面に座れば、軽く会釈をして。
こうしてシカクと将棋を指すのはどれぐらいぶりだろうか。
奈良家を出てからは殆ど毎日遅い時間に終わり、早く終わってもシカクやカカシに修行だと言われ付き合う羽目になり、覚えたての将棋をやりたくても時間がなかった。
シカクはというと、こういう任務以外でのカミコとのやり取りをする時間が欲しかった。
少しでもカミコの事を沢山知りたかったからだ。
「うーん………。」
「(こうしてみれば、ただの12歳の子供なんだよなぁこいつも)」
シカマルと何も変わらないまだ子供。
だが、任務になれば大人も子供も関係ない世界。
カミコの心構えなどに心配はしていない。
――――だが、あの瞳は人の死を何度も見てきた瞳。
――――任務で何度も人を殺めた事のある瞳。
「(せめて、任務以外では子供でいて欲しいんだがな……)ほい、王手だ。」
「!?っ ……………、」
勝てずに素直に悔しそうな表情をするカミコの頭にゆっくり手を伸ばし、くしゃりと撫でる。