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「カミコ、遅くなっちまったし今日はうちに泊まっていけ。」
「いえ、大丈夫です。」
「大丈夫じゃねぇからいってんだよ。―――飯食い終わったら将棋付き合ってやるぞ?」
「(ピクっ)………。」
「来るだろ?」
「………はい。」
カミコは、シカマルに一度将棋を教えてもらって以来、気に入ってしまった様子。
奈良家から自分の家へと戻ってからは一人で将棋の本を読む程度だったが、こうして指してくれると聞くと本能が正直になってしまうらしい。
日付も変わる頃、シカクはカミコを連れて奈良家へ。
玄関で出迎えてくれたのはヨシノ。
先にお風呂へと言われ、既に何度も入った風呂場で汗を流す。
「………温かい。」
ここへ来ると頭が可笑しくなってしまうんだ。
優しさに浸かってしまう。
何度も左右に首を振りながら、用意された真新しい着物へ袖を通して居間へ。