「…神楽カミコです。………申し訳ありません。」
一週間前火影は第15班はカミコのために作られた特別処置だと言っていた。
とすれば、本来は第15班の担当ではなかったはずで、この人はこれから木ノ葉でもない他里のカミコ一人につかなくてはならないのである。
途端に申し訳なさがこみ上げる。
そんなカミコに、あ?何を謝ってんだ とシカクは首を傾げていた。
「まぁかたっ苦しい挨拶はそこまでにして、ちょいとついてきてくれるか?」
シカクがそういうと、ガシっとカミコの腕を掴み、付いてきてくれというより半場無理やりに引きずられながら火影室を後にする。
そしてやってきたのは火影邸の横に位置する修練場。
「……修練場、ですか。」
「そうだ。まずはお前さんに言っておきたいことがある。
――――俺には嘘をつくな。」
「………。」
「これからずっとツーマンセルで任務をこなしていくんだ。だから絶対に嘘だけはつくな。」
「……承知しました。」
カミコの資料を読み、性格上担当上忍からの言葉であれば恐らくは逆らうことができないだろう。
そこは英才教育を受けた影響もあるのだろうが、この事を調べシカクがとった策だった。
自里があんなことになり、落ち着けないのも分かれば心に深く傷を負い、責任を感じているであろう。
この子の心の扉を開くのには、それ相応の時間が必要なのかもしれない。