そして丑の刻。
国境付近へとカミコは着く。
静寂な木々の音が響く中、空気が変わった感じを掴めばそっと目を開いた。
「――――…一体何の用かしら。」
「…やだなぁ。そんな怖い顔と声出さないでよ―――――――………姉さん。」
「まさか……虹に潜んでいた大筒木一族のスパイが貴方だなんて、本当に悲しいわ、アシュラ。」
「見た目じゃわからない僕だからこそ、選ばれたんだよ姉さん。姉さんこそ虹から追放されるなんて……。僕が姉さんが夢幻眼持ちだと言わなかったからここまで静かに暮らしてこれたんだ。少しは感謝してほしいね。」
「…もうその姉さんって呼び方止めなさい。私は貴方の姉でも何でもないわ。」
「ほんっとうに変わってないなぁ……。ずっと一緒に暗部で頑張ってきた仲間だって言うのに。」
大筒木アシュラ。
彼は虹にいたころのカミコの暗部仲間だった。
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