搾乳を終え、シカナの頭をそっと撫でた後カミコは再び火影邸へ。
戻ればカカシの霊圧は見事に消えていて、カミコは苦笑をしながら肩から毛布を掛け、
カカシのやっていた仕事を引き継ぐ。
「…(せめて、これぐらいは私が)」
自分という存在が昔に抹消されていれば起きなかっただろう今回の出来事。
忘れたわけではなかった、ただ今が幸せすぎて。
駄目だ駄目だ、と頭を何度か左右に振った時。
「なんだカカシはねちまったのか。」
「もう御目覚めになられたんですか?」
「あぁ、寝すぎちまったぐらいだ。お前まだ仮眠取ってねぇだろ?」
「私は平気です。少しでも、この山の資料片付けたいですし。」
そういって苦笑しながらデスクの周りにやまずみになってる資料を見回す。
シカクもつられるように苦笑をして、同じように資料に手を付けていく。
「…なぁカミコ」
「はい?」
「俺が昔、お前にいった言葉。覚えているか…?」
“――――この先どんなことがあろうとも、お前は俺が守ってやる。絶対だ。”
「…はい。覚えてます」
忘れるわけなんてない
その言葉にどれだけ救われたからわからないから、とカミコは目を細め昔を思い出して。
「それは大人になった今のお前に向ける言葉であることにも変わりはない。」
「シカクさん……。」
「娘はいつまでたっても娘のままだ」
「――はい、有難うございます。」
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