岩から資料を拝借し、二人は木ノ葉に向かう。
顔色を変えないカミコだが、シカクはわかっていた。
「(態度に出さないんじゃなくて出せないんだよな。お前は昔から何にも変わってねぇから)」
「―――大丈夫ですよ、シカクさん。」
「ぁん?」
声に出したか?!と焦るもシカクは足を止めずにカミコの方を見る。
「私一人の身体じゃないですから、昔みたいな無茶はしません。帰りを待ってくれている家族がいます。勿論木ノ葉を守るためなら身体を張りますけども。」
「―――はっ。わかってるならいいんだよ。それにまだお前が狙いだと決まったわけじゃねぇ。結論を出し急ぐなよ。」
「はい、わかってます。」
そうやんわりとシカクに笑みを浮かべるカミコ。
大人になったな、と心に思っていたシカクだが、実際のカミコの心の中では言葉に出さない思いが、再び重石となってのしかかっていた。
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