期間限定センチメンタル こんな恋ならするんじゃなかった。 放課後、誰もいない教室でひとり 落書きだらけのノートをなんの気なしに眺める。 何となく、今日は図書館にいく気になれなかった。 行けばきっとあの人がいるから。 きっとおれがいない事にトトさんは怒るんだろうけど。 (俺らしくないなー…) 誰かを好きになることも、執着を持つことも、いつか来る別れに負の感情を抱くことも。 あの人に会う前なら、なかったのに。 きっと、どの道を選んでも俺の未来にトトさんはいない。 遅かれ早かれこの恋には終わりが来る。 それは決定事項で、変えようのない事実だ。 「…あー、もうやめた!!!」 (今すべきは残された時間を精一杯過ごすことだろ!!!おれ!!!) ぐるぐると考えて悪い方にとらえるのは自分の悪い癖だ。 おれは自分の顔をバシバシ叩き、今頃不機嫌になっているだろうトトさんのいる図書室に行こうと立ち上がった。 この期間限定の恋に終わりが来るとして、 この恋の傷跡が、永遠に消えなければいいと心の底で思いながら。 ×
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