陽と星




「わぁ……っ!綺麗!綺麗だねサイサイ!」

「……そうですね。まさか自分が星の神様になるなんて思っても見なかったですけど」


アポロンさんと二人で並んで空を見る。思い出すのは俺の大事だった人。
神になってしまったから、もうあうことはないけど、あの人もきっと夜空を、見てくれてる気がするから


「……ねぇ、サイサイ。そんな顔、しないで。しないでほしいな」

「え?俺、そんなに情けない顔でしたか?すみません」

「あ、いやそうじゃない、そうじゃないんだ!ただ、とても悲しそうだったから」

「……はは、まさか。それはアポロンさんの見間違いですよ」


底抜けて明るくて、元気だったあの人は変にアポロンさんに似ている気がする
でも、違う人だということは理解している

(俺が今、好きなのは、どっちでもない。草薙さんだから)


「サイサイ!サイサイ!見てよ!流れ星だよね!?流れ星だよ!」

「あ……」


アポロンさんに言われ、顔をあげてみれば無数の星が流れていた


「あ!お願い!お願いしなきゃ!」

「……」

「サイサイとずっと一緒にいれますように!サイサイとずっと一緒にいれますように!サイサイとずっと一緒にいれますように!」

「……あ、あはははっ。アポロンさん、お気持ちだけ、受け取っておきますね。だってー……」


(流れ星は誰かの願いが叶ったときに流れる物だって、知ってました?)

(え!?じゃあじゃあ!こんなにたくさんの人の願いが叶ったんだね!)

(これはただの流星群だと思いますけど)







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