天然記念物



「……」


それはまるで天然記念物のようだ
いや、天然記念物という名称であっているかもイマイチわかっていないけれど


「……うさまろは、一体だけですか」

「?えぇ、一枚だけですが……。本来は式神ですので」

「式神……」


あぁ、どうりで動物アレルギーの俺でも触れるんだ
普段触れないから、その分うさまろばかりをひたすらに愛でる
……かわいい。動物


「……。日白義宋壬は、動物が好きなのですか?」

「好きです。普段はアレルギーなので触ったりできないから……」


ひたすらうさまろのことを撫でていると、肩に月人さんの頭がおかれて、驚いた
いつもはなんというか、こういうことに、ならない。
俺も俺かもしれないけど、月人さんも月人さんだから


「あの……眠いんですか?」

「いえ……君があまりにも嬉しそうにうさまろを愛でていたので、つい……」

「……そう、ですか」


いつの間にかただの紙に戻ってしまったうさまろを月人さんに返す


「ありがとうございます」

「いえ……」




「あの……俺、ちゃんと月人さんに会いに来ているので、大丈夫ですよ」

「……!……はい。了解です」


(今日も綺麗な人だな、月人さん)






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