いーやダメだな


「……いや、無理、ダメだって。俺、一人でいくから」


有無を言わせないように低くそう告げ、一人で勝手に歩き出す。
柊さんは、もう何も言ってこないから了承されたようだ。


「ルア……」

「だーいじょうぶだって!戻ってくるから!」


去り際に背を向けたままでそういつもの調子で言った
頼むから待っててくれ。俺の奇跡を信じててくれ。

実際問題奇跡が起こるのかと聞かれたら俺はこう答えるさ


「奇跡は起こるもんじゃない、作るもんなんだ」


メーク・ア・ミラクル。これが俺のテーマです。


「……?」

「奇跡起こして帰ってくるから黙って待ってろってこと」


その奇跡とやらがどういう奇跡になるかはしらないが。
とにかく、連れて行くわけには、いかない。

元々生きている世界も違うのだから、きっと、丁度いい


(ネガティブだなー俺にしては。さ、行くかね)


一人で、元の世界に先に帰ることにしよう。
枷がついたままだけど、それは多分ここに戻ってくるはず、と思うためにつけたままでいい

希望になるならあったほうがいい。


「ルア!!ちょ、おい本気で一人で行くの!?」

「……麗菜」

「俺が行く!俺ならいいだろ!」

「……枷外れてから来いってくるなら」

「……コノヤロウめ」

「ばっかだなー来ていいことねぇの知ってるだろー。特にお前はさー……弱っちいんだから」


性格の悪い友人は見てられないだろう、きっと衰弱していく俺の姿を。
今の時点で大分、体力が落ちているのをひしひしと感じているぐらいだから。


「……、ルア……約束だ」

「……おうよ、……わかってる戻ってくる。……どんな、姿になっても


(顔を見ることなく交わしたのはただの口約束でしかない)


宿命ルート

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