気づいたら異次元

「ん……」


次起きた時にはどこだかわからない場所にツナギのままの姿で落ちていた
リーゼントも崩れていないようだ。うむそれなら良しとしよう


「……天国か。地獄にしちゃ明るすぎるよなー」


起き上がった少し先に俺のiphone様がイヤホンを装着したまま落ちていたのを拾い上げて、動作の確認をすれば電波は一本も入ってないが、音楽を聴くことだけはできた


「……デモもらっといてよかったな。振付かー。一般人になんてひどいお願いしやがる。ヤンキーアイドルどもめ」


新曲だと言っていた音楽のデモを流しながら、適当にリズムをとる
別にみたところ誰もいねぇし、いいだろう


「……あ、ロキ待って。あんな人、箱庭にいたかな?」

「エー?バルドルってばナニ言って……あ?ホントだ。ねェートールちーん!あんな奴いたっけェ?」

「……いや、初めて見たな……。……制服ではないのを見る限り、生徒ではないだろうが……」


そんな会話が背後の少し先でされていることなんて割と体を動かすのを楽しんでいた俺が知る由もなかった

(そういや、なんか今更フリ考えてるけど、俺、死んでるんだから意味なくね?)

変に冷静に現状を理解してしまって、軽い溜息をついてからイヤホンを外す
天国ってことは、会えるんだろうか。俺の、−−−−に


「うおっ!?」


グルっと振り向いた先に、きれいな水色なのか青緑なのかなんとも言い難い髪色をした眉なしさんと、赤毛のロング野郎とアッシュよりな金髪の碧眼の3人がいて思わず驚いた
それにその3人が着ているのは、制服のようにも見える豪華な服
私服ではないことは一目瞭然だった


「天国ってスゲーのな!?」

「「「は?」」」


外面全開で、笑顔でそう言えば、3人は何言ってんだコイツと言わんばかりの顔をしていた
あら、違った?
つうことは天国じゃ、ない?と


「……え?ここさ、天国じゃねーの?」

「ハァ?ナニ言ってンのォ〜?アンタ頭おかしいんじゃナーイ?」

「あぁ、これか?これはリーゼントっつってだな!!」

「髪型のことじゃないしィ!!で、アンタはどこの神様なわけェ?見た感じだとなんとも言えないジャーン?」

「はい?」


(神様?神様ってアレか?神様女神様仏様の神様のことか?)


どうやらとんでもないことに巻きこまれた気しかしねぇんだが。

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