本気かよ

「……」


俺が柊さんに反論できるわけもなく、仕方ないと諦めここはうなずいておく。


「よし、連れて行ってやる」

「……すまない」

「なぁに気にするな。お前がいたほうがコイツも言うこと聞きそうだしな」

「うぐぁっ」


どうやら俺は心底言うことを聞かない奴だと思われているらしい。
正解である。

だってさだってさ自由がいいじゃん


「……まぁ、その、……嫌になったら帰りゃいいよ」

「……大丈夫だ」

「……」


まったくもってひどい話だ。
俺が、必死に止めようとしたのに。

(もう、あきらめろ俺。うん、そうだそうしよう)

どうせもう覚悟は決めたことだし、考え方さえ変えてしまえば、俺はおそらく最期を最愛の人に看取ってもらえる訳だ。
これはいい。

そう、思い込んでおこう。


(俺が、笑ってれば、いい)


どれだけキツかろうとも、笑顔を絶やすわけには、いかない。

この人の前でぐらいは、笑顔でいよう。


「まぁ、来るなら、よろしくな!」


(無理矢理作った笑顔ですら喜びを交えているように見えるように、懸命に笑うだけ)

(そんな俺を見てそれでもついて来ようとするなんて、なんてお人よし)


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