1日目

「今日と、明日と明後日か〜」


三つ指を折りながら一時的な自由時間をどう使おうか考える。今日だけで、残り時間はあと半分といったところか

あぁどうしようしたいことだらけである。


「うーん、どれからすっかなー」


あれやこれやとしたいことを書き出してはみるものの、たった今から実践できるものは、そう多くはないような気もした。


「……これは、最後がいーなぁ」


ある項目を丸で囲んで、最終日と書き足しておく。
最初はちょっと大変だけど、すぐできそうなものをしなければ。
そうと、なれば。あの二人に頼み込みに行くべきだ。


「麗菜ー!みづー!」

「「なんだよ」」

「弁当!作ってくれ!!」

「「はぁ!?」」


遊びにいくんだ!俺と、おまえら3人で!と笑顔で言えば、仕方ねぇなと二人は動いてくれる。
4人でピクニック。こんだけ綺麗だし一回はしたかった。

2人がそれをしだす間、俺はこゆと話をしている。



「……ルア、トール、さんいいのー?」

「あ!トールさんも俺誘ってくる!」

「あ、まって、おれもいくー」

「こゆ……!さんきゅー!」

「うんー」


いつもの3人とトールさんと青空の下草原で弁当をつつく。非常においしいでござる。
飯も食ってから俺はいつのように麗菜を下敷きに親父のような体制で寝ている


「お い」

「いやぁこれ落ち着くよなー」

「殺すぞ」

「いやん怖い」


怖い怖い麗菜の上から飛びのけば、足に力がうまく入らずにフラついた。
そこをトールさんが支えてくれたもんでコケずには済んだけども


「悪い、さんきゅー……」

「…………大丈夫か?」

「おう……」


こうなればなるほど、自分がどう進んでいくのかが分かってきて、どうしようもない気持ちになってくる
死ぬことが怖いんではない。ただこの楽しい時間がなくなると思うと胸が痛い


「…………ルア?」

「あ、悪い大丈夫大丈夫!」


あまりに黙り込んだ俺を心配してかトールさんが声をかけてくれる
センチメンタルに浸ったぐらいで、何を俺はしているんだろう
笑わなければ。とまるで呪縛のように巻きつかれたあの約束を無意識で引きずる


「……無理をするな。……約束、のはずだ」


トールさんとしたはずの約束は、守るつもりでいるのに、どうしてもあの?約束?を忘れることはできない。
一時的に忘れた気がしていただけで、今も無意識でやってしまうほどに、ずっと、笑顔を保とうとしてしまう


そうすることで、周りが笑顔になると信じているから


「……はは、無理はしてねぇよー!心配性だなトールさんは!」


そうして、誤魔化すように隠すようにひたすらにたわいもない話をし続け、気づけば日が傾きだしていた。

そして1日が終わる



(あと2日)

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