俺のハート?永遠のXX歳!

「さぁああああきたぜきたぜ!!文化祭ひゃっほう!」

「ひゃっはー!」


いつも通り麗菜と文化祭で盛り上がる。2年ぶりのこの感覚。
色んな出し物だったり、クラスごとの出店が出てたりしてとても楽しい。今日はお待ちかねのステージの日で、俺らはグル兄の作った衣装に身を包んで舞台裏で待機なう。


「やっべぇ、2年ぶりとかすっげぇワクワクする……!」

「この感じがたまらぬ……!!あぁディディどうしよう吐きそう!」

「……俺もちょーっと緊張が」

「……頑張ろう。できることはやってきたからな」

「「「やだイケメン」」」


ワイワイと言いながら、いざ、出番になったとき足元を見てなかったせいか段差につまづいてひっくり返りそうになった
そこを咄嗟に後ろからトールさんが助けてくれたようで、情けないほどの勢いで舞台に突っ込んではいかなかった、よかったぜ


「サンキュー!トールさん!」

「……あぁ」


舞台へあがれば文化祭ならでは歓声があがる。ちなみに今日は俺はリーゼントではないよ。
降ろして、冷慈みてーに弄ってる。麗菜は唯一の女子(らしくはない)要因ということで、まぁ、若干女子っぽい見た目ではあるが。
トールさんは安定の男前だし、酒仲間は黙っていればいい男、らしいのだ(麗菜談)
俺から見ればあいつもいい男だと思うんだけどなぁ


だからなのか女子からの声援がすごい、いや素晴らしい。
ありがとう、ありがとう!それが俺のエネルギーです!男子諸君、声量が足りないようだ

ステージで、立ち位置についてからいきなり俺は地面を蹴り上げて視界を反転させる。
バク転着地とほぼ同時に大音量で流れ出す、曲をいつも通り全力で


踊ってる間も俺の視界は客席の色んなところを捕らえる。
当然、目的の人物がいるわけもないのは知ってはいるけれど。
いたらそれはそれで恐いのだけれど。


「ふふ、凄いねぇ!」

「俺にかかりゃこんぐらい!」

「こら、そんなに天狗にならないよ」

「天狗?俺人間だろ!」

「……ほんと、誰に似たんだか……」

「そうよね!ルアは人間ね!」

「なーっ!」

「ねーっ!」

「……あぁ、まったく……XXXXに似たのかな、そういうところだけ、ね」




「あ、ほら、あそこ、上手で凄い!」

「……ただグルグルしてるようにしか俺には見えないけど……」

「もう!またそんな意地悪ばっかり!」




あぁ、あの頃は、時間の進みが速かった、辛かった。でも、それでも、楽しかった。
そう、心のそこからの笑顔で、安心しきっていたのだ。

いつでもどんな風に変わっても、あの人は笑っていた。あんなに痩せこけて、弱弱しくなっても笑っていた。
俺の記憶の中のあの人の表情は、全部心の底からの笑顔しか見たことがない。


「どうして?……そうだなぁ。笑ってると、皆が楽しいでしょ?ルアは?楽しくない?」

「……。ううん、俺も、楽しい」

「わぁ!嬉しい!」

「……俺も、いつか、XXXXみたいな人になりてぇなー」

「もうなれてるわ!だってここに毎日笑顔で来てくれるもの!」



あの笑顔をもう一度だけ、見たいのに。その思いで、不可能だとわかっていても奇跡を信じてここに立つことを選んだのに、やっぱり、俺と−−−の天使は見当たらない。

曲も終わりがけになって、最後の最後で、やっぱり駄目かと諦めた、そのときだった。


「!!!!」


たった一瞬、幻覚かもしれないけど、あの笑顔が、客席のずっとずっと後ろに一瞬だけ、本当に一瞬だけ現れて、すぐに消えた、気がした

(なんて都合のいい俺の脳みそクルトン)

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