すばらしい!マイフレンドだ!

「よーし、お前等ー、この馬鹿デカ男に自己紹介してやれー。無駄に背ぇばっか伸ばしてんじゃねぇよおめぇはよ」


理不尽に柊さんに背後を殴られる。理不尽、なんて理不尽なの。この世の中


「いでっ!す、好きでデカくなってるわけじゃねぇよ!ちなみに現在も伸びております!成長期延長されております!」


なんだか雨宮家にひどく睨まれている気がします。するだけだと思いたい。
ちなみに現在195cmです。巨人暴走族がアダ名でした学生時代。
成長期なのかどうやら最近地味にひざが痛い。
っかし〜なぁ、もう成長期終わったはずなのになぁと思いながらもまぁ身長が伸びてるならそれはそれで良しとしよう。

この勢いだと俺は2Mの大巨人にならないか。
駆逐されるぞ。幼馴染3人に。


「よーしっ!じゃあじゃあ!僕から!僕からでいいよね!?いいよね、柊先生!」

「好きにしろー。俺は本でも読んでるからご自由にな」

「わかった、わかったよ!僕はアポロン・アガナ・ベレア!ギリシャ神話の太陽の……」

「あー、ストップ。俺に、どこの神話の神様かは言わないでくれぇ。もう今頭パーンしてんだわ」


苦笑しながらそう言えばアポロンと名乗った重複ボーイは元気良さげに了解してくれた。
どこの神話とか聞いても、俺、わからんよ。勉強なんかしてないんだからルアくんは。


「オレはディオニュソス・テュルソスだよ〜。お酒と女の子に目がないんだよねぇ」

「ディ……?……アンタとは話があいそうだぜ!俺も酒も女子も大好きだね!」

「ディオニュソス、ね。お、じゃあ今度一緒にワインでもどう〜?」

「おぉ!!いいないいな!」


どうやら俺は気があいそうないい友達を見つけたようだ。いえす。よかったよかった。
なじめなかったらどうしよ〜ん(笑)なんて考えてたところだったからな


「ハデス・アイドネウスだ」

「派手?その割に、アンタ地味なのな?」

「!!……中々、やるな」

「??え、あ、ど、どーもな……」


なんだか喜ばれているようだ。派手さん。名前と見た目があっていないような気がするが、悪い人ではなさそうだった。
しかし一体、何が中々やる、んだろうか。


「オレはさっき言っちゃたしぃ〜、あ、でもミョージは言ってないねぇ!ロキ・レーヴァテインだよォ」

「わたしは、バルドル・フリングホルニ。よろしくね」

「お、おぉ……横文字だらけなのな」


なんだかあまりに横文字の名前が多くて覚えるのに時間がかかりそうだ。
なんで自己紹介を聞いて疲労を覚える必要があるんだろう。


「……俺は、必要なのか……」

「あ、いやトールさんはさっき聞いたし……な、うん」

「……そうか。ゆっくり、覚えていくといい」

「お、おうよ!!任せろ!卒業?する頃にも多分あんまり覚えれてねぇ自信しかねぇ!」

「……それはそれでどうなんだ……」


トールさんの自己紹介はさっき聞いていたので割愛されたが、やっぱり話しやすい人である。
しかし神様ときたもんだ。おそろしやおそろしや。
……、しまった、神様とかそんなこと考えないように、しようと思っていたところだった。


「戸塚尊」

「戸塚月人です」

「やっと日本名……っ!!日本人ばんざい!!な!な!?柊さん!!」

「うるさい」


やっと出てきた日本名に喜びを隠せず思わず師匠である柊さんに声をかければ、また出席簿で殴られた。
今度はダイレクトに顔面を。


「いたひ……」

「ほら、お前も自己紹介しやがれ。しねぇなら焦がすぞ」

「します!します!早田ルア20歳、趣味はバイクいじり、好きなことは自主規制で言わないとして、取り柄は俺が俺であることです!」


(そうして俺は事実も知らぬまま、ゆっくりカウントを刻んでいた)


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